訃報に想う「白川静」氏
白川静氏死去 立命館大名誉教授
金文(きんぶん)や甲骨文字など膨大な資料を渉猟し、実証的な研究で漢字の字源や成り立ちを明らかにする「白川漢字学」を打ち立てた文化勲章受章者で立命館大名誉教授の白川静(しらかわ・しずか)氏が10月30日午前3時45分、多臓器不全のため京都市内の病院で死去した。96歳。福井市出身。自宅は公表していない。1日に近親者のみで密葬を済ませた。後日、お別れ会を行うが、日時などは未定。 (京都新聞) - 11月2日9時17分更新
漢字学の第一人者で、漢字学三部作『字統』、『字訓』、『字通』を著した白川静氏が30日に逝去されたそうです。
自分が白川氏を始めて知ったのは、宮城谷昌光氏の本で白川氏の漢字研究(甲骨文字・金文)により新たな古代の世界が見えるようになったという記述からでした。それで興味を持って白川氏の著述を読むようになりました。
白川氏は漢字学の新しい姿(正しい姿)を生んだ碩学として偉大なことはいうまでもありません。ですがそれよりも大学紛争中に於いても、白川氏の研究室のみは煌々と明かりが消えることがなかったというような、学問に対する真摯な姿勢そして継続性という態度は学問を志す全ての人に、模範となるべき存在で在ると言えるでしょう。
最近の履修不足に見られるように、大学を一流会社への就職の通過点と考えている全ての人(生徒・教育者・親)には白川氏の生き方を見習って欲しいと思います。勿論、自分も見習わなければ。
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